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おかまつ動物病院【獣医師岳先生のベテナリー日記】2025年Win…

冬の冷えから犬・猫を守ろう!

暖房が恋しくなる季節は、動物たちにとっても体に負担がかかる時期です。
犬や猫も冷えによって体調を崩したり、持病が悪化したりします。特にシニア、子犬・子猫、持病を抱えている子は注意が必要です。

このコラムでは、獣医師の立場から

冬に増えやすい病気・トラブル             

どれくらい温めてあげると安心か

散歩や日常生活で気をつけたいポイント

をわかりやすく解説します。

冷えると何が起こる?冬に増える病気・トラブル

  1. 泌尿器疾患
    冬は水分摂取量が減りがちな季節です。飲水量が減ると尿が濃くなり、尿中に結晶や結石ができやすくなります。結晶や結石は膀胱粘膜を刺激するため、膀胱炎を誘発します。また、結石が尿路に詰まってしまうと尿路閉塞が起きてしまい命にかかわることがあります。特に猫の下部尿路疾患(膀胱炎・尿石症・尿路閉塞など)は冬に増えるという報告があります。
    また、犬は寒さで散歩回数が減ることで排尿回数が減ってしまう場合があり、膀胱内に尿が溜まりやすく、細菌性膀胱炎のリスクが上がります。
  2. 心疾患
    冬の寒さにより暖かい季節に比較して血管が収縮し血圧が高くなりやすいです。血圧が高くなると心臓に負担がかかるため冬は心疾患の悪化に注意が必要です。特に、暖かい室内から寒い屋外に出る際の急激な血圧変動(ヒートショック)は危険です。咳、疲れやすい、呼吸困難、失神など命に関わる症状があり、特に高齢の犬猫や心臓病を基礎疾患に持つ場合は注意が必要です。
  3. 呼吸器疾患
    冬は空気が冷たく乾燥し密閉空間での接触も増えるため、犬のケンネルコフやウイルス性の呼吸器感染症、猫風邪(上部気道感染症)などが起こりやすくなります。咳、くしゃみ、鼻水、目やに、元気食欲低下等が生じます。特に子犬・子猫、ワクチン未接種・持病ありの子は重症化しやすいです。軽い風邪に見えても、長引く咳や呼吸が苦しそうな場合は早めの動物病院受診が必要です。
  4. 皮膚・肉球のトラブル
    冬は室内も乾燥しがちです。乾燥はフケや皮膚のかゆみの原因となります。また、雪国では道路上の雪や融雪剤により肉球の荒れ・ひび割れ・雪や融雪剤を舐めたことによる胃腸障害など、冬ならではのトラブルも多くみられます。
    散歩後は、ぬるま湯や濡れタオルで足先を洗ってよく拭く、必要に応じて肉球のスキンケアを行うとトラブル予防になります。
  5. 関節炎・椎間板疾患など整形外科疾患の悪化
    冬になると、関節炎の子が「朝起きたときにこわばっている」「散歩の歩き出しを嫌がる」「階段やソファに上がらなくなる」といった相談が増えます。冷えと運動量の低下、運動量低下による体重増加が重なり痛みが強く出やすくなるためです。
    特にシニアの犬猫は関節が悪い子が増えます。若い犬や猫の場合でも関節疾患がある子は注意が必要です。また、椎間板ヘルニアの既往がある子は腰を痛めやすい季節です。冷え対策+体重管理+適度な運動が特に重要です。
  6. 冬に増える中毒事故
    海外の報告でも、冬は以下のような中毒が増えるとされています。
    ・自動車用不凍液(エチレングリコール)
     甘い味で犬猫がなめてしまいやすく、少量で致命的な腎障害を起こすため危険です。
    ・融雪剤
     特に雪国では散歩後に足についた融雪剤をなめてしまうことがあります。
    ・クリスマスや年末年始のごちそう(レーズン類・チョコレート・ナッツ・アルコールなど)
     人間の食べ物の中には動物にとっては有害な物があります。
    自動車用不凍液や人間の食べ物はペットの届かない場所に保管するのが鉄則です。

どれくらい温めれば良い?室内環境の目安

一般的にはおよそ20〜22℃前後が、健康な成犬・成猫にも心地よい温度とされています。15〜16℃を下回るような環境は長時間は避けるべきです。

「人間が厚手の上着なしで過ごせるくらい」がひとつの目安です。人間が少し寒いと感じるようなら、動物にとっても寒い可能性が高いと考えてください。

ベッドのポイント

ベッドは冷え対策としてすきま風の当たらない場所が理想です。ブランケットやタオルを1枚足してあげると良いです。シニア・関節疾患の子は、柔らかすぎないクッション性のあるベッドがおすすめです。

暖房器具の注意点

ストーブ・ヒーターに近づきすぎると乾燥や低温やけどのリスクがあります。電気カーペットやペット用ヒーターを長時間、逃げ場なく当て続けないように注意しましょう。乾燥対策として加湿器の使用を推奨します。
「自分で暑いと感じたら離れられるようにする」「直接肌に触れ続けない」「人が触って少し暖かいと感じる程度の温度」を目安にしてください。

散歩・外出時の寒さの目安

気温だけでなく、風、湿度、個体差によっても体感は大きく変わります。

一般的な目安として 

多くの健康な成犬は通常通り散歩可能です。寒さに弱い小型犬・短毛種・シニア犬は、防寒着や散歩時間を短くする等で調整しましょう。

小型犬・短毛種・子犬子猫・シニア・持病ありの子は、防寒着を着用して散歩は短めにしましょう。もし雨や雪で濡れてしまった場合はすぐに乾かして温めてあげましょう。

冷えに弱い体質の子は、散歩は排泄程度のごく短時間にしましょう。時間帯を暖かい昼間にずらした方が良いです。

「楽しそうに歩いていたのに急に歩きたがらない」「抱っこをせがむ」「震えが止まらない」などが見られたら、その時点でその子にとっては寒すぎるサインと考え、すぐに切り上げて温かい室内に戻りましょう。

こんな症状があれば、すぐ動物病院へ

次のような様子が見られたら、早めに受診を検討してください。

・震えが止まらない、体が冷たくグッタリしている

・歩き方がおかしい、立てない、意識がぼんやりしている

・激しい咳や呼吸の苦しさ、発熱がある

・人の食べ物、チョコレート、レーズンなどを口にした可能性がある

自宅での様子見で手遅れになるケースも少なくありません。おかしいと感じたら、早めにかかりつけの動物病院へ相談してください。

冬はほどよい温め+よく観察が大切です。

暑さのように目に見えて危険度が分かりにくい一方で、冬は見えないリスクが増える季節でもあります。

いつもより少しだけ注意深く様子を見てあげてください。

困ったときは、遠慮なく獣医師に相談してくださいね。


【おかまつ動物病院】

〒458-0804 愛知県名古屋市緑区亀が洞1-407

電話番号:052-877-1186


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