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薬剤師・和漢薬剤師・薬膳マイスター【伸哉先生のおくすり日記】

薬剤師として、毎日多くの方にお薬をお渡ししていますが、実は私、家では愛犬の健康管理に奮闘する一飼い主でもあります。

「薬を飲む」という行為は、人間にとっても犬にとっても、本来は少し不自然なこと。だからこそ、ちょっとしたコツと「心の余裕」が、健康管理の質を大きく変えてくれます。

今回は、薬剤師の視点から、「人も犬も、お薬と仲良くなるためのヒント」をコラムにまとめました。


人間の場合、一番の課題は**「飲み忘れ」と「勝手な中止」**です。

  • 「症状が消えた=治った」ではない

特に抗生剤などは、体内の菌を全滅させる前にやめてしまうと、生き残った菌が耐性を持ってしまうことも。

  • 「飲み忘れ」

忘れてしまったら、気づいた時にどうすべきか(次にまとめて飲むのはNG!)を、あらかじめ薬剤師に確認しておきましょう。

  • お薬手帳は「命のバックアップ」

副作用の履歴や併用薬のチェックは、私たち薬剤師の最も重要な仕事です。一冊にまとめることで、あなたを守る最強の武器になります。


2. 犬の薬:「ご褒美タイム」への変換

犬にとって薬は「よくわからない変な味のもの」でしかありません。無理やり飲ませるのは、お互いにストレスですよね。

  • 「投薬=おいしい」の刷り込み

ピルポケット(投薬用おやつ)や、少量のサツマイモ、ヨーグルトなどに隠して、「特別なご褒美」として演出しましょう。

飲ませ方①「サンドイッチ法」

  • まず、何も入っていない大好物(サツマイモなど)を一口あげる。
  • 次に、薬を仕込んだものをあげる(ここで疑う暇を与えない!)。
  • すぐに、また何も入っていない大好物をあげる。

「おいしい!次もおいしい!あ、またおいしい!」という流れを作ることで、薬の違和感を減らします。

飲ませ方②「上を向かせて喉の奥へ」が基本

どうしても食べない場合は、直接口に入れます。上を向かせて、口角から指を入れて口を開け、喉の奥(舌の付け根より後ろ)にポイッと落とします。そのあと、喉を優しく撫でて飲み込むのを待ち、成功したら全力で褒めておやつをあげてください。

飲ませ方③「粉薬」はペースト状に

粉薬は、少量の水やチュール的なおやつで練って「お団子」にしたり、上顎に塗りつけると、ペロペロと舐めとってくれます。


3. 共通のコツ:お薬を「義務」にしない

人も犬も共通して大切なのは、「お薬を飲む時間を、健やかな未来への投資と捉えること」です。

お薬の時間が「戦い」になってしまうと、治るものも治りません。

  • 人は「仕組み」で解決する(ケースやアプリを活用)。
  • 犬は「喜び」で解決する(おやつとセットにする)。

この切り分けが、長期的な健康管理の秘訣です。

薬を保管する場所を「救急箱の中」ではなく、「毎日必ず見る場所(食卓やリードの近くなど)」に変えるだけで、飲み忘れや飲ませ忘れは激減します。

お薬は、ただの化学物質ではありません。あなたと愛犬が、明日も一緒に笑って(あるいは尻尾を振って)過ごすためのサポーターです。

良かれと思って人間用の常備薬を犬に飲ませるのは、実は非常に危険です。

  • 人間用の薬は絶対に共有しない

これは薬剤師として強くお伝えしたい点です。例えば、人間用の解熱鎮痛剤(アセトアミノフェンなど)は、犬にとっては猛毒になることがあります。「人間で効くから」という判断は、愛犬の命を危険にさらします。

成分名人間での用途犬への影響
アセトアミノフェン解熱鎮痛剤(カロナール、タイレノール等)重度の貧血、肝不全(1錠で命に関わることも)
イブプロフェン鎮痛抗炎症剤(イブ等)胃潰瘍、腎不全
キシリトールガムや一部のシロップ剤急激な低血糖、肝不全

犬は人間よりも代謝機能がずっと繊細です。人間にとっての「1錠」は、体重5kgの小型犬にとっては「10〜20倍の過剰摂取」になることを忘れないでください。

  • 観察が「言葉」の代わり

犬は副作用を言葉で伝えられません。「いつもより元気がない」「下痢をした」「水を飲む量が増えた」といった些細な変化をメモしておくだけで、獣医さんの診断精度は格段に上がります。

株式会社メディーレ 

代表取締役 虫鹿伸哉

薬剤師、和漢薬膳師、薬膳マイスター

https://medeale.co.jp

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